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ロベルトさんのガイドで、700年の歴史を持つというセラーへと案内して頂きました。
(ここからはセラーの雰囲気を味わって頂くために、あえて言葉少なめに、写真中心でいきましょう!)

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赤い扉を潜り、階段を下りると、まるで中世の牢獄を思わせるようなダンジョンのようです。
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このあたりのボッタ(大樽)を置いてあるエリアは、まだ入口。


醸造スペースを抜け、さらに奥へと進みます。
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今にも崩壊するのではないかと思うような、古い梁。
高い湿度の為に、構内はとても寒く感じます。
魔法使いやモンスターが出てきそう・・・。
梁と梁の間には、ボトリングされた古いヴィンテージのワインが眠っています。
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さらに奥に進むと、一段と湿気で寒くなり、濡れた石畳みの床は滑り、
煉瓦や石積みの天井や壁は、分厚いカビや微生物の層が覆い、さながら鍾乳洞のようです。

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構内に溜まった湿気のせいで表面がビショビショになった、黒カビを覆ったバリックが静かに眠っていました。

さて、無事に秘密のダンジョンから生還した後は、テイスティング。
いずれのアイテムも、強すぎず、アタックが柔らかく、濃さを追求しない、ネイヴェのテロワールを感じさせる素朴な味わいでした。
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Barbera d'Alba La Sconsolata(バルベーラ・ダルバ・ラ・スコンソラータ)は、僕のようなオールドファンの好みを考慮しているのか、「バリック無し」と「バリック有り」の2種類のスタイルを造っています。
バリックを使った当該カンティーナのバルベーラは、樽臭は極限まで抑えられ、バリック樽熟成の優位点を生かしタンニンの刺激が穏やかになっており、造り手のセンスの良さが伺えます。
ロースト香の強いワインが苦手な僕でも、とても美味しく味わうことができますし、むしろ若いうちからこのワインを楽しむなら、その飲み易さからもバリックを用いたタイプの方がお薦めだと思います。

フラッグシップ・ワインである「Barbaresco Cura(バルバレスコ・クラ)」も、大変穏やかで優しい味わい。
バルバレスコの風土を感じさせる乾いた石灰質の香りを伴い、また酸味も豊富。
昔ながらのスタイルをそのまま今に伝えています。

更に、ここのパッシート「Nettare di Stelle (ネッタレ・ディ・ステッレ)」が実に素晴らしい。
「星のお酒」と名付けられた、アルネイス種で造られたパッシートです。
夜空に輝く三日月の上に猫が腰掛けている、愛くるしいボトルからは想像できないほど、感動的な味わい。
少しウエットな印象のある、酸味と甘味のバランスの優れたデザートワインです。

最後の最後で、海外マーケットの色に染まらない、本来のランゲ地区に昔から伝わる「その土地の味」の深い部分に、少しだけ触れることができたのかもしれません。

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最後に、このセラーの内庭の塀の上には、先程の甘口ワインのエチケッタのモチーフとなった、猫の風見鶏(猫?)が、畑を見守っていました。