実に半年ぶりの訪問。 ずいぶんとご無沙汰してましいた。
しかし、この間、レストラン・コバヤシ に何があったのでしょう?
料理が、さらに美味しくなってる!!
世間の不景気を蹴散らすかのごとく、今日の料理は果敢に攻めていたなぁ・・・。
シェフの気迫が皿から伝わってきました。

不幸な「京都ギオットーネの事故」以降、久方ぶりに心底感動できる料理を食べることができました。

コバヤシのジビエ料理に熟成したネッビオーロ。
「もう、何を言わんや」、ですよ。
近所に、コバヤシがある幸せをヒシヒシと噛みしめております。


今日のワイン。
■ NV Brut Selection - Louis Casters ( ルイ・カステール )
レストラン・コバヤシ76
赤いリンゴの皮の香り、ダレた甘みは無く、まるでシードルのようなブラン・ド・ノワール。
余分な樽臭さが無いのが嬉しい。
まさにアペリティフにはピッタリの泡でした。

こちらは、いつものように自宅のセラーより。
■ BARBARESCO 1990 - Cantina del Glicine ( カンティーナ・デル・リチーネ )
レストラン・コバヤシ82
このリチーネは現地ではなく、2年位前に大ちゃんの店で買ったもの。
現在、同じエチケッタのデザインを用い、トップ・キュベを意味する「 CURA 」を名乗るバルバレスコを造っています。

僅かに濁りがあるように見えましたが、味、香りとも、まさに今が飲み頃の絶妙のタイミングでした。
ムンムンする獣の香り、プラム、チョコレート、バルサミコ、ライムストーンの香り、
酸から来る旨味がジュワっと口の中に広がり、後から果実味が追いかけてくる味わいです。
余韻はさほど長く、古典的なネッビオーロとは思えないような「軽やかさ」すら感じます。
肩肘張らない、親しみの持てるバルバレスコ。

料理はランチのコース「B」より。

・赤貝とビーツのゼリー寄せ(マンゴー・ソース添え)
レストラン・コバヤシ78
コバヤシのアミューズと言えば、「片口鰯を用いた手作りオイル・サーディン」ですが、これは見事に意表をつかれました。
見かけはちっちゃいけど、味は堂々の存在感。
「え?マンゴーと赤貝?」と思うでしょうが、食べてみると、これが実に相性が良いことに驚かされます。
アペリティフの泡との相性も良く、不思議なマリアージュを楽しめました。

・本日の魚のマリネ(イワシと軽く燻製したサバのマリネ)
レストラン・コバヤシ80
魚の味もさることながら、軽くビネガーに漬けた野菜が、本当に美味しい。
こういう料理が食べたかった!
僕の中では今日一番の皿でした。
この繊細な盛り付けを見て「コバヤシの中で何が起こっている!!」と思った次第。
(コバヤシってもっと野性的な料理が多いイメージだったのだけど・・・。)

・コールラビと牡蠣をのせたジャガイモのスープ
レストラン・コバヤシ83
オーダーした嫁曰く、「繊細なジャガイモのスープが、コールラビにくるまれた牡蠣を割ると味が変化し
さらに美味しくなった」そうです。

・血のレバー・パテとバナナ、コリアンダー風味
レストラン・コバヤシ84
「絶品」とは、まさにこのこと。
レバーのコク、カラメルの甘苦さ、バナナの甘味、クリームの酸味が複雑に絡み合います。
たまに当たる胡椒の粒が、効果的な辛みのアクセントになっており、シューのパフパフした食感も実に楽しい。
ジビエに強い、レストラン・コバヤシの魅力がギュッと詰まった一皿。
熟成した今日のバルバレスコとの相性も抜群に良かったです。

・鴨のソテー、ルーアン風(内蔵のソース)
レストラン・コバヤシ88
気合いの入ったシェフが、特別にディナー用の鴨で作って下さいました。
肉の味が濃く、とろけるように柔らか。
ハードローストした野菜の香りやキノコの触感が、
赤ワインとレバーでつくるソースに、更なる野性味を演出していました。

・蝦夷鹿のロースト、ジビエ・ソース
レストラン・コバヤシ87
おっと、シェフの気合いは蝦夷鹿にも飛び火!
こちらは蝦夷鹿の通常出しているところ(確か、肩と言っていたような・・・)ではなく、フィレ肉だけで作ってしまったそうです。
ほっくりした甘い栗を乗せて、鹿肉と一緒に食べれば、悶絶せずにはいられません。

それにしても、「栗」と「ネッビオーロ」って、どうしてこんなに相性がいいのだろう?
ピエモンテ州のBOCAでは、嘗て栗の木で作った大樽でワインを造っていたそうだけど、
何か関係があるのかな?

・しっかりとカラメレーゼした、リンゴのタルト
・丹波栗のパイ包み
・小菓子(パメラ、塩キャラメル、パンケーキ)

レストラン・コバヤシ90レストラン・コバヤシ92
レストラン・コバヤシ94


嫁、ご覧ようなご機嫌ちゃん状態。 かなり満喫した模様。
レストラン・コバヤシ95


そろそろ、下期のベスト・バイをセレクトしたい時期ですが、
多忙過ぎて例年程種類を飲んでいないので、推奨品が限られる予感。