久々の経済ネタです。

「潮目」というか、「時代の節目」というか、いよいよ
大きなターニングポイントが来ているように思える事ばかり続きます。

「検察VS小沢さん」の問題然り、会社更生法適用を申請している日航然り、
ほんの1年前では考えられなかった変化が、ドノミ倒しのように起こりつつあります。

熱狂と共に誕生したオバマ大統領の支持率も、鳩ポッポ内閣の支持率も、仲良くズルズルと右肩下がり。

そんな混沌とする社会状況の中、正統派の「ワイン飲み」としては、多少気になっているニュースがあります。

22日の欧州市場でギリシャ国債とユーロ圏指標債である独連邦債の利回り格差が、
ギリシャがユーロ加盟した2001年以来最も高い水準となった。
10年物のギリシャ国債と独連邦債の利回り格差は313ベーシスポイント(bp)に拡大。
前日清算値の段階では288bpだった。
ギリシャの財政状況や国債発行計画をめぐる懸念を背景に、同国の国債利回りは高水準で推移している。
(ロンドン/ロイター通信)


どうやら、EUの一国であるギリシャがデフォルト仕掛かっているようです。
ユーロ加盟には一定の審査基準があり、相互監視能力が機能しているが故に
信頼性の高い通貨として誕生したはずなのに、
これじゃ通貨としての信頼度は、がた落ちじゃん!とツッコミを入れたくなってしまいます。

更に、G7のイギリス・フランス・イタリアにいたっても、日本同様にGDPは駄目駄目で、
お先真っ暗な状況です。

嘗て日本がバブル崩壊の際に経験した「貸し渋り」「貸し剥がし」「信用収縮」が今年夏以降、
ヨーロッパ全土で一気に進むのではないか、と僕は予測しています。

特に心配なのは、既に10人に1人が失業していると言われるイタリア。
ワイン産業を始め中小企業の資金繰りは本当に大丈夫なのでしょうか。
極めて心配です。

畑やワイナリーの売買も頻繁に耳にすることになるだろうと、以前当ブログで指摘しましたが、
マネーゲーム的に有名な畑を買いあさった造り手だけでなく、
マーケットを意識して過剰設備投資をしてきた準大手の造り手まで、
いよいよ、資金面の問題から事業存続の危機に直面するリスクが現実のものとなりつつあるようです。
(根拠無く記載できる話しではないので明記しませんが、噂話は色々耳にしております)

さて、直近のレートも、ついに1ユーロ/130円を切っちゃいました。(ドルなんて90円ですもん♪ コーラも買えん。)
一昨年僕らがイタリアに行った時のレートは、1ユーロ/160円でした。
一気に2割もユーロが安くなっており、更に供給過剰の条件が重なるわけですから、
これは否が応でも、良いワインが安く買えるチャンスが到来している、と言わざるを得ません。(場合よっては、年内1ユーロ100円台もあるかもしれないと個人的には考えています)

皆様の懐に余力があるかはさておき、可能であれば、是非このチャンスに
「海外のエノテカから高級ワインを安く買って、大量にストックしておくこと」をお薦めします。

実際、日本での販売価格差を考えると
海外からの送料、後に支払う通関手数料や現地贅沢税等を吸収できる程の
為替水準に近づきつつあります。 

このブログの「リンク」にある、「ワイン・サーチャー」のサイトから
ワイン名や造り手の名前を検索をすると、
海外輸送可能な現地のエノテカやワインショップが。驚くほど簡単に見つかります。

多くは12本単位で簡単に郵送してくれますし、(1本単位可能な店もあり)
日本ではレアなヴィンテージも比較的容易に入手することが可能です。

場合によっては郵送費の方がワインよりも高くつく事があるので
比較的売価の高いワインをまとめて買う方がお得です。


僕にとっては、日本では扱いの無いマニアックな造り手のワインを入手する為に、
もはや欠く事の出来ない購入手段となっています。
なにしろクレジットカードやPaypalで決済が出来るのは、何より有り難いです。

輸送リスクを考えた場合、ワインの品質を担保する手段として、
リーファーコンテナで赤道を2回越え、数ヶ月かけ船便で運ばれてくる方が良いのか、
気温の低い冬場に集中して国際宅配便を使い、僅か1週間足らずで自宅まで運んで貰う方が良いのか、
答えは、自明の理ですね。

ワインオタク同士が熱く語り合うにはかなり楽しい議題ですが、
造り手の元でもブショったワインを何度も口にしている僕の経験からすれば、
大量に仕入れないと十分な粗利を稼げない、「真面目なインポーター」さんでない限りは、
前者のサービスはオーバースペックなサービスです。

サンプルとして、1〜2本単位で「正規インポーターさん」のワインをワインショップで買い、
気に入ったら、まとめて12本単位で現地から国際郵便で送ってもらうのが、
円高の今、一番賢いワインの買い方ではないでしょうか。

脱線しますが、「リーファーコンテナ使用」のシールを、「安心・安全・高品質」を担保する
「何かの御墨付き」のように言う方がいます。

しかし、生産者のセラーから読者の皆様のお手元へ届き、グラスに注がれる迄の搬送経路・経過時間ついて、
「どこからどこまでがリーファーでカバーされていたのか」「一定の低温環境にあったのか」だなんて、
だーれも保証しませんし、証明しようがありませんから。

細心の注意を払いワインを運ぶ、本物の『運び屋のプロ集団』も、一部にはいますが、
一般消費者にとって、リーファーコンテナで輸送されたか否かは、
「信じるか信じないかはあなた次第です」的な、「都市伝説」に近い臭いすら感じがします。
(だって購入時に確かめる術はないでしょ?)

個人的には、ワインの扱いに高い見識とプライドのある現地のエージェントやアドバイザーと関係を作り、
如何にそのワインを最速で日本に届けるか、その手段を科学したほうが、
より効果的なような気がしてなりません。

更に言うと、ヤフオク等で、よく「正規インポーター品」を謳い、
付加価値を上げようとしているオークション出展を目にしますが、これも全くの無意味ですね。

例えば、僕がエンツォポントーニやニコのセラーで貰ったワイン等は、
当然「非正規インポーター品」であると定義されるものです。

現地のレストランやエノテカの地下セラーで買い求めたヴィンテージワインも、
同様に「非正規インポーター品」となります。

では、16時間かけて、自分の手で飛行機でイタリアから持ち帰ったこれらのワインが、
数ヶ月を経て、生産者のもとから様々な商流・物流を通って来たワインよりも
品質が劣るというのでしょうか?

これはっきり言って、ナンセンス極まりない。
※ 無論、善意で頂いた物を転売しようだんて、これっぽっちも考えていませんので、あしからず。

そもそも「正規インポーター品」であることを明示するならば、
単にリーファーコンテナで輸送し通関手続きをした業者名でなく
出荷・入管時期や一次卸(納品した)期日が記載されるべきべきでしょう。

例えば、
「現地(生産者倉庫/エノテカ/ネゴシアン等の)購買元より、○日以内国際輸送品(輸入時期:○月)」のような
シールを貼り付けたワインが店頭に並べば、
消費者にとって購入に至る判断材料が増え、
痛んだワインを購入するリスクが軽減され
また、最近問題となっている高級ワインの偽物を排除できる手段となるのではないでしょうか。

思えば、食の安全だとか、トレーサビリティーが叫ばれている、今日の日本において、
ワインほど物流行程がグレーで、消費者の信頼にすがっている、「農作物」も珍しいと思います。

こうしたワインの謎や矛盾に想いを巡らすのも、「楽しみのひとつ」とうことでしょうか。


さて、最後に「潮目」の変化も、僕自身にも降りかかっており、
以前から不安を抱えていた健康上の問題が再発し
ワインについて書ける時間的余裕が、日に日に少なくなりつつある状況です。

可能な限り更新に努めますが、更新頻度は更に低くなることが予想されるため、
その分、過去の記事をネット上にコンテンツと残し、修正等に努めていきたいと思います。

とは言え、思い出に残るまだご紹介出来ていないイタリアのレストランやカンティナ(造り手)も沢山あり
記憶に残っている内に早くアウトプットしなくては、と日々焦る気持ちが募っております。

まあ、ぼちぼちやっていきますので、読者の皆様も、気が向いたとき
これまで通り、当ブログに遊びに来て下さいね。