イタリアのエージェントから送ってきたワインの品質チェック。
品質そのものは「中の上」というレベル。
コルクの乾燥も特になく、キャップシールも綺麗に回ります。
瓶の外から覗く色合いも、極端に落ちているような様子はありませんでした。

■ CAREMA 1989 - Cantina dei Produttori di Nebbiolo ( カレマ/プロドゥットーリ・ネッビオーロ:ネッビオーロ生産者共同醸造組合 )
カレマ89_05

テストに1本抜栓。

ああ、なんと軽やかなネッビオーロなのでしょう ♪
ヴァッレダオスタ州に程近い生産者が共同で作るネッビオーロのワイン。
毎年数千本単位しか生産されていないと聞き及んでいただけに、
一部のマニアの間では大変人気の高いワインのようです。(しかもお手頃なお値段が嬉しい!)

さて、グラスに注いでみたところ、
外観は、20年経過しているためか、縁は煉瓦色。この品種にしては、やや色は浅め。
ほんの僅かにボーっと薄く曇っているかのように見えるが、経年変化で還元状態にあったからだと思われます。
曇りはスワリングとともに消えて無くなりました。

第一アロマは既に落ち気味。
グラスに鼻を突っ込めば「バルサミコ」「ライムストーン」「ドライトマト」の香りが強烈に上がってきました。
ランゲのような「ミネラリー」な香りは薄くバローロ的な複雑性や「プラムのリキュールのような果実感」は差ほど感じられません。
タニックさや厳格さからもかなりかけ離れているように思えます。
一瞬、エキス分の薄く凝縮感の乏しい葡萄で作った凡庸なワインのよう思えるかもしれませんが、
こうして20年以上熟成しても品質が維持出来ていること自体驚異であり、
酸が強くタンニンが控えめの軽やかでエレガントなネッビオーロを産出する生産地」として、
「D.O.C. CAREMA(カレマ)」を再認識すべきでしょう。
なにより、変に果実味タップリで甘く媚びたようなワインでないのが、好感もてるじゃないですか!

この本日開けたCAREMA 89のテーマは、「熟成を経て旨味へと変化したリッチ感のある酸味」のように思えます。
優しい舌触りとともに口に含んだ瞬間から始まる、エレガントな酸味が織りなす味わいの変化は、飲んでいて実に楽しいものでした。
一般的には酸が強い分還元的な状態が強いためか、本来の姿を見せるには多少時間がかかるようです。
可能ならば、一回エアキュレーションをしたほうか、より楽しめるでしょう。

余韻は短く、あまり高級感のあるワインではありませんが、
親しみの持てる「身の丈を知った」通好みのネッビオーロです。
地元の人にこよなく愛されている、「地方のB級グルメ」的ワイン、というところでしょうか?
レ・ピアーネのボーカとかお好きな人は、結構はまるように思えます。
次回日本のショップで古い物をみっけたら、確実にゲットしたいワインです。

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