以前ブログで書きましたフリウリワイン会の準備が始まりました。
参加メンバーもほぼ確定し、「一次リスト」の内から、
各人の投票により上位7〜8本を選出し、飲み比べようという企画です。

お声がけさせて頂いたメンバーも
その道のプロやエキスパート、美食を極めた大酒飲み、ただのマイケル・ファンと
非常に多彩なメンバーでして、当日までどのワインがテーブルに上がるのか
全く余談を許さない状況です。

一応、今回「一次リスト」のワインは、数ある自己所有のフリウリコレクションより
それぞれ特徴のあるものを15本に絞ってセレクトさせて頂きました。
読者の皆さんならば、リストの中からどのワインを選びたい、と思われるでしょうか?

面白半分で、競走馬がターフに入場するシーンをイメージし
エントリーワインのキャッチフレーズを作ってみました。(どちらかというと、K-1チックかな?)
有馬記念なんかをイメージして読んでもらえると嬉しいですね。
なんか、ファンファーレも欲しいぞー。

〔G1〕レースとまで行かなくても、〔G2〕クラスの豪華さはあるのではないでしょうか?


 第一回 フリウリ・ステークス 〔 東京:芝 / 1600m 〕 ( 豪華15頭だて )

   〜 尚、出走馬は(エントリー)は以下のとおりです。 〜 

01)
コルモンスを疾走する一頭の雄牛。
威風堂々、無数に獲得したトレ・ビッキエーリは彼のカウベルか鼻飾りか。
フリウラーノという地場品種のポテンシャルを世界に知らしめた金字塔的存在。
俺がトロスだ。
・Collio Tocai Friulano 2004 (Cormons) - Franco Toros


02)
常識なんて糞食らえ。自我の開放と自然との融合こそが芸術。
岩盤の底を数十メートルくり抜き、地下に醸造施設を造ってしまう神懸かり。
そして、ワイン造りとは、美の女神との対話である。
鋭い切れ味、長き余韻、そして、くり抜いた石灰質の岩盤地層からくるミネラル。
狂気と天才は紙一重。今宵、天才を証明するか。
・Carso Chardonnay Selezione 2000 (Trieste) - Edi Kante


03)
人は私を「キング・オブ・フリウリ」と呼ぶ。
しかし、生まれながらの王ではない。
辛酸、ねたみ、陰口に耐えた日々。
血反吐を吐くような努力を積み重ね手にした王の玉座である。
そして今宵、王の称号を頂いている実力を貴殿の前で証明してみせよう。
まずは黙ってグラスに注がれるアロマに身を委ねるがよい。
次の瞬間、君は無意識に首をたれ、跪いているだろう。
そして、こうつぶやく。
「ミアーニの無い世界なんて、一体どれだけの価値があるものか」と。
・Ribolla Gialla 2003(Colli Orientali del Friuli) - Miani


04)
ラマンドーロといえば言わずとしれた甘口ワインの郷である。
しかし今のご時世、甘口ワインなんて売れるわけがない。
嘗ての栄光の都も、今は土地も荒れ、地獄と呼ぶに相応しい酷い世界だ。
このまま貧しさに埋もれて消えて無くなるのか?
我々には新しい価値観、新しい変化が必要なのだ。
人々の執念・渇望・祈りが生んだ、奇跡の辛口ワイン。
・Verduzzo Friulano (Farra d'Isonzo Friuli) 2006 - Bressan


05)
その土地の声を聴き、その土地の生態系に準じているだけで至宝の農作物が生まれる。
なにも特別な努力はいらない。自らを自然と一体化させ暮らすだけである。
ワインを造りたければつくる。気が乗らなければ造らない。
一昨年、彼畑の中で特別なワインが誕生した。生産本数800本のみ。
本人だって飲んだことがない。記念に子供の悪戯書きの羽の絵をつけた。
このワインは、全ての恵みを与えて下さる
アキレイアの神様への貢ぎものである。
・Ali (Aquileia) - Borc Dodon


06)
例え満腹の状態でもついつい手が伸びるものこそ、最高に美味しいものである。
美しい仏像の前に立てば、時間の感覚を失い、悟りの宇宙へと誘われていく。
我に返った時は、その数分前の自分とは確実に何かが違っている。
何物にもとらわれず、本質へと深く近づく、人の言葉では語れえぬ境地、「解脱」。
葡萄とはなんぞや、果実とは、ワインとはなんぞ? 
そんな問いすら、無意味であることに気が付かされる
人間の本能や五感に直接訴える、南フリウリが生んだ最高の自然派白ワイン。
・Uis Bransis (Aquileia) 2006 - Borc Dodon


07)
ニコラ・マンフェラーリという人物を一言で言えば、
ダ・ヴィンチ的「天才」である。
仮説・実験・検証・データ・理論、更に実験を繰り替えし、
理想とする味わいをリアルに具現化させる芸術家でもある。
平原を疾走するかのような、軽やかな彼のロッソは筆舌に尽くし難し。
コルモンスの有名レストラン「スビダ」のセラーには、
別格的にストックされた数々のオールドヴィンテージ達。
ニコラの造るワインは、名醸地コルモンスの至宝であり、
ワインとともに生きる農村の語りべである。
・Collio Rosso Riserva 1999(Cormons) - Borgo del Tiglio


08)
「国境」とは、政府同士が庭先に引いた1本の線でしかない。
フリウリ語で言えばCollio・スロヴェニア語で言えばBrda、いわば同じ丘陵地。
アルプスを頂く大自然と伴に生きる大家族農園で造る自然派のワイン。
2mを超す大巨人が丁寧な手仕事で造るシャルドネは、
ヴィンテージによってはブルゴーニュのトップキュベを超えるとまで言われる。
スロヴェニアを代表するスーペル・ビアンキ。
・Chardonnay 2001(Slovenia) - Mlecnik


09)
燃える闘魂、猪木である。
アゴの話ではない、その生き方である。
「この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ 」
白ワインの聖地と言われるフリウリにおいて、ひたすら赤ワインの可能性を信じ、
生産にこだわり抜いたぬき、ついには偉業を成就させた。
彼がいなければ、今日、フリウリでの地場品種を中心とした赤ワインのブレークは無いであろう。
その最高峰であるピニョーロを、是非賞味あれ。
・DOC Pignolo 2003(Colli Orientali del Friuli) - Moschioni Davide


10) 11)
良い物、正しいことは従順に取り入れる。
それが科学だろうと、古からの言い伝えであろうと。
「正しい」とされることには全て「理由」があるから。
しかし、鵜呑みにはしない。
ひとつひとつ、自分の目で、鼻で、手で、舌で得心できたことだけ。
全ての「理由」に得心(とくしん)出来た時に、それは法則となり、継承すべき知識となり、
結果、最高の品質が担保される。
単なるカンや経験ではない、実践で磨き抜いた知識なのである。
このやり方だけは曲げられない。何故ならそれがニコ・ベンサという男だから。
なによりも「木はその実で評される」べきだから。
・Rosso Del La Castellada 1999 (Gorizia) - La Castellada
・Bianco Del La Castellada 2003 (Gorizia) - La Castellada



12)
ゴリツィアの「百獣の王」。
ラディコンのワインの中には野獣が居座っている。
無闇に檻に近づいても野獣は、こちらに目も合わせてくれない。
「こんなものか」と気を許した瞬間、野獣は間髪入れず牙を剥いて襲いかかってくる。
奴はこの瞬間をねらっていたのだ。
その凄まじき瞬発力に、貴方は悲鳴を上げる事すらできないだろう。
この凄まじき狩人の餌食となり、我が身が彼の生命の礎となったとき、
初めてこの偉大なるワインとの一体感を覚え、神に召されるのである。
・Radikon Merlot 1998 (Gorizia) - Radikon


13)
世の中には誰にでも愛される、どこか憎めない奴がいる。
口数少なく、シャイで、人が良すぎて、周りが放っておけない奴がいる。
彼が育てる葡萄はとても甘く、近くの森の鹿やイノシシの格好のご飯。
運が悪るければ、腹を空かせた珍客の為に、収穫できない年も出てしまう。
それでも、彼は怒らない。「今年はついてないね。」
そんな男が造るワインは、その人柄のように優しく、おおらかで、とても人なつっこい。
彼の造るカベルネ・ソーヴィニョンを一言で言えば、「野性味あふれるジャム」そのもの。
・Collio Cabernet Sauvigion 1997 (Gorizia) - Dario Princic


14) 15)
生きるレジェンド。
彼の存在なしに、現在のフリウリワインの認知はあり得ない。
イタリアワイン界を、引っ張ってきた「信念の人」である。
否、彼の信念にイタリア中が無視できず、引き寄せられた、と言う方が正しいだろう。
誰も踏み入れぬ山に一人入り、僅かな足跡を残し、その後を人が到来して道ができるが如くである。
自然と語らい、宇宙と語らうこの旅人は、ついに自らの理想とするワイン造りを
悠久の歴史の中に発見する。
彼は古代エジプトの時代にも登場する「アンフォラ」という
陶器を用いワインを造りはじめた(現在はグルジア産を利用)。
アンフォラへの到達は、今やイタリア中の自然派ワインを目指す生産者に
多大なる影響を与えるに至っている。
様々な改革を推し進め、旅人はイタリア自然派の「帝王」となった。 「グラヴネル魂」ここにあり。
・Ribolla Gialla 2001 Anfora (Gorizia) - Gravner
・Rosso 1993 (Gorizia) - Gravner



まだまだレース序盤、第一コーナーを曲がったばかりですが、
現在のところ、05)の Ali が一歩リード。
その後を、Radikon、Mlecnik、Borgo del Tiglio が追走しております。

ところが、一人2本まで投票、と言っているにも関わらず、3本も投票してしまう
欲張りさんも出てきて、大波乱のレースとなることが予想されます。
(おっと、審議のランプが点灯中ですぞ!)

果たして当日、どんなワインがテーブルにのるのか、今から楽しみでなりません。


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