ブログネタ
イタリアワイン に参加中!
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カリフォルニアの「Monterey Jazz Festival (モントレー・ジャズ・フェスティバル)」や
スイスの「Montreux Jazz Festival(モントルー・ジャズ・フェスティバル)」の規模には及ばないまでも、
バローロ五大産地の1つであるMonforte(モンフォルテ)では、年に1回、夏から秋にかけジャズ・フェスが開催されています。
なんと、チェントロの丘の上に広がるコロッセオで、連日野外演奏が響きます。
(トイレはちょっと問題になりそう)
しかも、塔には巨大な垂れ幕が……。
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ロッケ・デイ・マンゾーニ、クレリコ、アルド・コンテルノ、エリオ・グラッソ、パルッソ、ジャンフランコ・アレッサンドリア等々、無く子も黙る蒼々たる地元のワイン・メーカー達が協賛しているじゃないですか!!

さて、この塔の下部や周辺の壁面には、青を基調としたモノトーンの写真で創られた過去にこのフェスで演奏した「かもしれない!」アーティスト達のレリーフが、ビッシリ埋め込まれています。
(2007年の秋にモンフォルテの丘に登った時には、通りの壁の至る所にレリーフが埋め込まれていました。)

しかも、JAZZと全く関係ないのではないかと思えるメンバーばかり。
でもオールド・ファンにはたまらない面々です。

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まずは『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で一躍世界に名をとどろかせた、Compay Segundo(コンパイ・セグンド)。

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おなじくIbrahim Ferrer(ブライム・フェレール)。

中南米の芸術・文化に若き日の全てを捧げていた僕にとって、カーネギーホールにキューバ国旗を広げるあの名シーンは、何度観ても涙が自動放水状態です。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観ていない人は、3度観て欲しい。
合衆国政府のケツを蹴り上げたくなる衝動に、共感してほしい!

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『ダイアー・ストレイツ』のMark Freuder Knopfler(マーク・ノプラー)。
渋い!
高校の時、ウォークマン(古い)に入れてよく聞いていました。


↑、この曲、知ってますよね。


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フジ・ロックでお馴染み、Patti Smith (パティ・スミス)。

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名曲『Valerie』のSteve Winwood(スティーヴ・ウィンウッド)
きゃー、マフー!


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でた、「吟遊詩人」Donovan(ドノヴァン)。
僕らの親の世代のスター。
瑞々しい歌声は、デュランよりも好き。



これはどうだ!!
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なんと、Zappa(フランク・ザッパ)ですよ! これには驚きました。
天才とは、人智の理解を超越している者を指すのだということを、初めて教えてくれたお方。



極めつけはこの方。
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「神」、Brian Eno(ブライアン・イーノ)。
『環境音楽』というジャンルを現代に定着させた偉大な音楽家です。

美大生時代、彼の作品からインスピレーションをもらっていました。
課題の映像作品のBGMにも使わせて頂いたなぁ。

「Ambient 1 MUSIC FOR AIRPORTS」のLPは実家に置きっぱなしですが、我が宝。
U2とのコラボも、あまりに有名ですよね。(Windows 95の起動音も彼の作品)
ジョン・ハッセル、ホルガー・シューカイ、懐かしいよなぁ…。(この辺についてこれるワイン・オタクはなかなかいないでしょ。)

しかし、一体どんなライブをやったんだ??
集団催眠のイメージしか沸きません。



と、ここまで書いて実は「Guido Harari(グイド・ハラリ)」というイタリア人写真家の作品でした。

そもそも、ドノヴァンの時代に、こんなジャズ・フェスなんてやってる場合じゃ、なかったでしょうね。

モンフォルテの丘にどういう経緯で彼の作品が飾られているのは良く判りませんが、彼のクールな作風と自然豊かな村の静寂さとが絶妙に解け合っていて、とても不思議な雰囲気の空間なのです。

グイドの数ある作品の中で、どうしてこのメンバーをあえて選んで飾っているのか、また誰がそれを選んだのかも是非知りたいところです。

一昨年は通りにボブ・マーリーの肖像が飾られていましたが、無茶苦茶かっこよかったなぁ。


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ちなみに、既に20時半を回ったというのに、夏のモンフォルテの空はまだ仄かに明るいのです。

しかし、陽が落ちるととても寒く、肌を焦がす日中の気温が嘘のよう。

「日照量の豊富さ」と「寒暖差の厳しさ」という、最高のネッビオーロを生み出すミクロクリマを身をもって体験しました。


夜の帳(とばり)が下り、外国人観光客で溢れるモンフォルテのチェントロのカフェ、Ristorante La Collina へ。
テラスでカルネ・クルーダとクレリコのバローロで軽い食事。

カルネ・クルーダはご当地だけあって本当にどの店も外さないけど、やはり季節があえば白トリュフは掛けたいところ。

この手の赤味の生肉に慣れると、日本のサシたっぷりの牛肉が、くどくて食べられなくなると思います。
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